こんにちは、志向館予備校で世界史を教えている三木陽平です。
いよいよ二次試験も近づいております。この時期は高校生への論述の指導が増えてくるところです。
さて、今年の共通テストに良い問題が一つあります。それは、20世紀にクーデタや革命を経たイランが題材の問題です。
教壇の上に飾られている写真は右側がパフレヴィー2世、左側がホメイニです。
イランは1953年にイラン=クーデタを経て、民族主義を掲げるモサデグ政権が失脚します。
そして親米のパフレヴィー2世が復活し、1961年、白色革命を行います。右上の写真で見られるように、女性たちが西欧風の服装や文化に変わっていきます。ヒジャブの着用も見られません。
しかしながら、石油資本に依存しすぎたパフレヴィー政権に対する不満やイスラム原理主義の考えのもと、1979年にイラン革命が勃発します。これにより、パフレヴィー政権は崩壊し、ホメイニ政権が誕生します。その後は現在まで、右下の写真のようにイスラム原理主義を貫くのが今のイラン共和国です。それにしても、服装や文化の転換には驚かされますね。
さて、共通テストの問題に戻りましょう。挿絵を年代順で見ると、パフレヴィ―2世からホメイニの順なので、挿絵2→挿絵1の順となります。そしてイラン革命を経て共和国となるので正解は④のい・えとなります。2次試験でろんじゅつが必要な方はこの歴史の流れに、モサデグが展開したアングロイラニアン石油会社の国有化による資源ナショナリズムの展開を留意しておくといいでしょう。では、本日はここまでとします。