共通テストという名称なって、6年目。新課程での初めての出題。何が変わって、何が変わっていないのかを問題を解きながら、述べていこうと思います。
第1問〔1〕数と式(10点)
2次方程式の問題。与えられた値を代入して,因数分解して解いていくだけ。最後の必要
条件十分条件はこれまでの解法がヒントになっている。最後の必要条件十分条件は少し
ひっかかる人がいたかもしれないが、全問正解してほしい問題。
第1問〔2〕図形と計量(20点)
誘導に従って、正弦の定義,正弦定理,余弦定理を用いて解いていく問題。図形もあらかじめ
描いていて,ご丁寧に同じ図を次のページでも再掲してある。ただし,「同様に」というのが
結構ギャップがあって、難しく感じた人もいたかもしれない。また、例によって太郎さんと花子
さんが登場するが、普通の問題文で十分だったと思われる。いたずらに問題文を長くするだけで
あった。
第2問〔1〕2次関数
噴水を放物線として,方程式を求めさせる問題。最大最小の場合分けもなければ、方程式、
不等式への応用もなく、2次関数をしっかり対策してきた人にとっては拍子抜けの問題であった。
ただし,計算は、無駄に邪魔くさかった。前問に引き続き、太郎さんと花子さんの登場であるが、
今回は「太郎さんと花子さん」ではなく「花子さんと太郎さん」であった。昨年に引き続き、
共テなりの配慮が働いたのか。(笑)妙な忖度をするぐらいなら、初めから性別を特定しない、AさんBさん
あるいは甲さん乙さんでいいのでは?
また、イラストがあって、健全な?距離感でベンチに座っている男女が噴水を見ながら、2次関数の
話をしているという、これまた健全なデート?の一場面を描いているが、こういう問題が共テの目指
している「日常の事象や数学のよさを実感できる題材」(大学入試センター発表の問題作成方針より)だとしたらその感覚を疑ってしまう。
第2問〔2〕データの分析
47都道府県の日本人宿泊者数と外国人宿泊者数について、新課程から登場した「外れ値」「仮説検定」
についての出題があったが、いずれも丁寧な説明があり、簡単な計算で正解にたどり着く。あとは、
散布図の読み取り、データの変量の変換に関する問題で、これらも基本的。
以上数Ⅰの分野については、計算ミスがなければ、満点も十分狙える問題であった。
数Aの分野はいずれまた。
志向館 宮前龍彦