・全体概況
センター試験と同様、第1,2問が数学Ⅱ(配点60)。第3~5問が数学Bで2問選択(配点40) と構成は変わらなかった。しかし、センター試験や模試で第5問にあった確率統計の問題が第3問になり、選択問題をマークミスした生徒もいたようだ。
また、試行調査からの予想通り、文章量が増加した分ページ数も増加し、ボリュームアップ。しかし、計算量が減少、丁寧な誘導に沿って考える問題が多く、昨年より難易度が下がり、平均点が上がった。また、選択肢から選ぶ設問が大幅に増えた。
・設問別講評
第1問 [1] 三角関数の合成と最大最小問題。後半、余弦での合成は不慣れで戸惑った人が多かったようだ。
[2] 指数関数の性質の問題。最後、会話形式の設問で、会話の中のヒントをうまく用いることができたかがポイント。共通テストになっての新傾向問題。
第2問 2次関数・3次関数のグラフ、接線、面積計算等の問題。途中、文字計算に戸惑うかもしれないが、誘導に従っていけば難しくない。試行調査と同様、グラフを選ぶ問題が出題された。
(第3問は選択者がほとんどいないので省略)
第4問 等差・等比数列とそれらを含む漸化式の問題。後半の漸化式は見た目は複雑だが、丁寧な誘導があり計算量も少なく、さほど難しくない。
第5問 正12面体を題材としたベクトルの問題。これも、見た目は難しそうだが、丁寧な誘導がある。最後の内積計算で工夫が必要だった。
また、図形と方程式、複素数と方程式からの出題はなかった。
これからも、このような形式で出題されることが予想されます。よく言われるように、公式や定理を丸暗記するだけではなく、その出処からしっかりと理解し、いろいろな場面で使えるように演習を積むことが必要になります。 志向館・前川