評論は、「食べる」ことと生命の関係について論じた二種類の文章が出題された。問5までは、文章Ⅰ、Ⅱのそれぞれの内容について問うオーソドックスな問題であったが、問6は【文章I】と【文章Ⅱ】の関係性が理解できているかどうかを問う問題で、前年度とは違う設問形式だった。【メモ】では「食べる」ことと「生きること」の共通する要素を列挙し、次にⅠとⅡそれぞれのとらえ方の違いを答えさせる問題であった。そして最後に、【まとめ】としてⅠとⅡの共通点を見つけ出す問題だった。令和5年の共通テストも2つの文章の比較とまとめの形式は続く予想できる。
小説は黒井千次の作品。労働者の人間疎外を主題とした作品を多数執筆した作家。設問数・マーク数ともに一つ減った。長く出題されていた語彙の設問が消えた、その代わり内容に関する読解問題が増えていた。例年並みの難度である。複雑な問題形式は問5だけである。生徒のノートに基づいて空所補充をする問題。煩雑な感じで、設問形式に不慣れな受験生にとっては解答するまでに時間がかかったかもしれないが、落ち着いて読むと簡単な問題である。